ギターのサイズ・大きさ

誰でも自分の手に合ったギターが理想ですが、逆説的発想で、弾き難いサイズのギターの観点より、この問題を考えてみましょう。

 

私自身、1979年に最初のスペインギターを買いました。非常に良く鳴っていたので、殆ど衝動買いでしたが、すぐに後悔する羽目になりました。ネックの幅が広過ぎて、弾き難く、手がすぐに疲れてしまうのです。もう少しネックの幅の細いのにすれば良かったと、つくづく思ったものでしたが、その同じギターが、現在は全く手に馴染んでいます。実際、ネックの幅を測ってみれば、全く普通サイズ(最上部 52mm&12フレット部62mm)で、当初、私自身が未熟な故に、ネックの幅が広過ぎて、私には大きなギターだと勝手に確信しただけだったのです。

 

また、ある時、明らかにネックの薄いギターを手にする機会がありました。余りの弾き易さに驚いたのですが、更に驚いたのは、ネックの幅を測ってみると、普通より4mmも幅広く(最上部56←52mm&12フレット部66←62mm)、弦長も660mmと長目でした。

 

それから数年後、ある日本人が、買ったばかりのフラメンコギターを持って日本語情報センターにやって来ました。バカでかい音量余りの左手の押え易さに驚きましたが、商売柄、すぐに指板の幅を測ってみると、最上部50mm&12フレット部60mm!! 普通サイズより2mmも狭い!! 押え易いはずだと思いましたが、次いで計った弦長は、何と665mmの特大サイズ!! 一瞬考え込みましたが、結局、故意に弦長を長くして、音量を追求し、弾き難くなったその分を、指板の幅を2mm狭め、ネックを薄くすることでカバーした、良く考えられたギターでした。指板とネックがすっきりしていれば、弦長665mmでも気にならないものだと思い知らされました。

 

従って、初級者は元より、多くのギター奏者は左手が押え難い、或は、指が届かないと、ネックの幅が広過ぎる、弦長が長過ぎると直感的に思い込んでしまうが、実際はネックの太さのせいであると言えるでしょう。そこで、私なりの結論ですが・・・。

 

左手が押え難いギターの一番の原因はギターのサイズではなく、指の長さでもなく、弾き手の未熟さ故にそう感じるだけである。それが証拠に、YouTube上で、有望な小中学生達は大人用ギターを難なく弾きこなしていますし、手の小さな女性でもプロはいます。

 

残りがサイズの問題だとすれば、一番の原因はネックが太過ぎることで、以下、弦高が高い(と弦張力が強くなる)指板の幅が広い弦長が長いなど、弾き難いサイズのギターの理由が挙げられます。

 

それでは、指板の幅を狭くすればいいと言うのはイージー過ぎます。余りに指板の幅が狭いと、弦を抑える際、左手指の腹が隣の弦に当り易く、従って、雑音が出易く(、これを防ぐために左指を相当垂直に押さえなければならず)、極めて不自由だからです。やはり、一定の指板の幅は必要です。

 

つまり、上達すれば、少々のギターの大小は関係なくなると言えますが、やはり、初心者は悪い癖が付かない様に、自分の手に合った弾き易いサイズを選ぶべきでしょう。

 

セファルディでは、日本人の手のサイズを考えた、特に、ネックが薄めの弾き易いスペインギタを用意しています。左手を一杯広げた時の”人差し指”と”小指”の先端の距離(14~16cm,etc)をお知らせ下さい。アドバイス致します。

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