日本における中国製ギターの見分け方

以前は、その雑な作り故に、一目瞭然でしたが、近年、中国製ギターも改良されて来ていますので、一般愛好家には判断が難しいと思われます。2通りの場合を想定して見分け方を考えてみましょう。

 

価格による予想

国産メーカーの中国製ギター(おかしな日本語ですが!?)の場合 ☆ 10万円以下なら中国製だと、日本の事情通から7、8年前に聞きました(これは2008年の文章です)。国産メーカーのギターなら、内側の隅の方に、申し訳程度にMade in Chinaと書いてあるかどうかは知りませんが・・・。

 

スペインギタの場合 ☆ ラベルはスペインギターでも、今日、明らかに安価なものから、スペインの有名メーカーのかなり高価なものまで、中国製かも知れません。実際、中国製スペインギターには原産国中国の表示がないのですから、これは断定し様がありません。これは、あくまで、私がスペイン在住当時、ギター店やバイヤー達から直接聞いた確かな情報による、推測ではなく、推定ですが、断定ではありません。そこで、ずばり・・・。

 

店員さんにずばり尋ねる

ギター専門店の場合 ☆ ずばり『このギターはスペインのメーカーのラベルですが、スペイン製ですか、それとも、もしかすると中国製ですか?』と尋ねてみましょう。メーカーの有名無名を問わず、これだけ中国製スペインギターが世界を席巻している今日、こう質問する意義はあります。誠実な店員さんなら、誠実に答えてくれるでしょうが、儲け主義の店なら、迷わず笑顔で、”もちろん、スペイン製です“と不誠実な答えが返って来ることでしょう。

 

或は、”間違いなくスペインから輸入しておりますと言われる知れません。数年前、フラメンコ関係の人に聞いた話ですが、[スペインから~先生を招いて]なる宣伝文句で踊りの講習会を開く場合、有名スペイン人ダンサーは高いので、スペイン在住の、セミプロ級だが、ギャラの安いラテンアメリカ人講師を呼ぶそうです。なる程、確かに”スペインから”の宣伝文句は本当ですが、あたかもスペイン人講師と思わせるための方便には違いありません。100%中国製スペインギターをスペインから日本に輸入して、”間違いなくスペインから輸入しております“とは上手い方便です。

 

こうなると、原産国表記なしギター故に、藪蛇ですが、これはもう、ギター云々の問題ではなく、ギター取り巻く人間のフェアープレーの精神の問題です。

 

セファルディからお届けするスペインギターは総てスペイン製スペインギターであることをここに宣誓致します。

 

一般の楽器店の場合 ☆ たとえ中国製スペインギターでも、おそらく、卸し元からはスペイン製だと言われているでしょうし、ギターもついでに置いてある一般の楽器店の店員さんなら、ギター知識にも乏しいと思われますので、ラベルがスペインのものなら、何の疑いもなく”はい、スペイン製です“と無邪気な答えが返って来ることでしょう。何れにせよ、ギターはおまけ程度の扱いの楽器店では、今後、安価な中国製ギターしか販売されない可能性の方が大です。

 

スペインギター価値観見出したい読者さん、100%スペインのスペインギター入手してさい。100%中国製スペインギターでは人生悲しいではありませんか。

 

これらの直接原因は、ユ-ロ導入(2002年)に伴うユーロバブル後も、スペインでは物価が下がらず、スペインギターを安く作れず、加えて、近年のウクライナ戦争による、更なる原材料費の高騰が挙げられます。しかし!! セファルディは、安かろうが高かろうが、今後共、スペインギターのみを価値観として、同胞日本人に紹介して行きます

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