今後の推移と展望

近年スぺインでも不動産は随分安くなりましたが、輸入原材料費(木材)とユーロは相変わらず高止まりです。つまり、スペイン国内でもスペインギターの原価は徐々に上がり続ける一方、輸入すべき円がユーロに対して安いので、輸入スペインギターの原価は現在、二重苦の高止まり状態だと言う事です。輸出振興のための政府の円安政策もあり、正直先が見えません。

 

従って、単にギタービジネスとして原価を考えれば、日本の輸入ギター業界が今後、手工品はますます高騰するスペイン製手工ギターに代わってアメリカ製ギター、そして、普及モデルは今以上に率先して、原産国非表示の中国製スペインギターになびいても、何ら不思議はありません。

 

しかし、セファルディは安かろうが高かろうが、今後共、スペイン製スペインギターのみを価値観として、同胞日本人に紹介して行きます。 

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ある会社で、何のための仕事かと尋ねられた社員が”皆の幸せのため”と答えたところ、上司に”そうじゃない、売り上げを伸ばすためだ”と説教されたそうです(2008年初頭のある日本の週刊誌)。

 

私はある意味、技術レベルの遥かに高いプロ野球より、高校野球の方が好きです。それはノーギャラで純粋に野球技術だけを競う高校野球の方が、そのフェアプレ-の精神故に、観る者の心に吹く爽やかな一陣の風であり得るからです。しかし、人は学生である事を辞め、金銭社会に出れば、この上司の言った如く、金銭に魂を売って、売上げを伸ばすためには何をやってもいいのでしょうか?

 

人生何をやろうが、フェアプレ-の精神なき爽やかな一陣の風など吹きはしません。そして、フェアプレ-の精神とは自分へ思いやりではなく、相手への思いやりのはずです。

 

確かに、個人商店から大企業まで、皆儲けは必要です。金銭に一喜一憂するのが、資本主義社会に生まれた我々の宿命です。しかし、偏ればこの上司の如く、偏った説教を食らいます。

 

しかし!! 手工品より高いブランド化されたスペイン製普及モデル、原産国非表示の中国製スペインギター、影武者ギターなど、これらの珍品が大手を振って罷り通っているのは、相手を思いやる爽やかな一陣の風どころか、自らのみを思いやる、偏った利潤追求至上主義に泥酔しているからです。読者の皆さんも一緒に酔うかどうか。それは各自の自由です。しかし、・・・。

 

そもそも、ギターの果たすべき本来の使命とは弾き手、聴く人、製作者、売る人、ギターを取り巻く総ての人が情緒的に豊かになる事のはずです。そして、ギターと代金の交換は最後の最後に行うもの。これがスペインギターに対するセファルディの主旨であり基本姿勢です。 

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