今後の推移と展望

2002年のユーロ導入以降、スペインでも物価はヨーロッパ並みとなり、特に、近年は中華肺炎とウクライナ戦争により、原材料(木材)はユーロで激しく値上がりし、ギターも右へ倣え。

 

一方、私がスペイン在住時のアベノミクス直前には、スペインの銀行に1万円持って行くと、手数料を引かれても99ユーロ戻って来たのを今でも良く覚えていますが、その後、日本政府は輸出振興のため、円安に舵を切り、更に、ウクライナ戦争でによる歴史的円安により、2024年6月現在、1万円=58ユーロにしか帰って来ません。何と、円の対ユーロの価値は41%の目減りです。

 

2023年1月、2024年1月とスペインを訪問しましたが、ギター梱包用の段ボールさえ2倍になっており、ケースも輸送費も、総て値上がりし続けています。つまり、現在、輸入スペインギターの原価は、スペイン国内でもユーロで上がり続け、更に、超円安ユーロ高により、二重苦の高止まり状態です。正直、先が見えません。

 

従って、日本に入って来るスペインからの輸入ギターは、今後、単に、ギタービジネスとして原価を考えれば、普及モデルに関しては、今以上に率先して、疑いの余地なく、原産国非表示の中国製スペインギターに靡き、疑いの余地なく、高級モデルまでも中国製となって行きます。勿論、ラベルは相変わらず、臆面もなく、スペイン有名メーカーのままです。

 

手工ギターに関しては、スペイン製に限らず、欧州ユーロ圏のものは、なお高騰し、超円安もあり、今の原価を鑑みれば、今後、日本での最終価格は100万円が最低ラインになって来ます、いえ、既に、そうなっています。これは、無名個人製作家の場合です。それでは、今までの復習ですが、定価50万、60万、70万、80万円のスペイン製ギターは、一体、誰が作っているのでしょうか? 一段落上で述べた”疑いの余地なく、高級モデルまでも中国製“であるなら、作者は中国人です。

 

一方、スペイン人名工の手工ギターの原価は、幾ら超円安時代とは言え、現行レートで、既に、100万円以上です(2024年6月現在)。原価の話です。これに、更に、関税に送料。一体、最終価格は幾らになるのでしょうか?

 

しかし、セファルディは、安かろうが高かろうが、今後共、スペイン製スペインギターのみを価値観として、同胞日本人に紹介して行きます。 

 

なお、セファルディではこの現状を憂い、比較的低価格で製作する無名のスペイン人個人製作家の発掘の必要を痛感し、そして、スペイン在住30年の店長独自の外交ルート、及び、愛知県立大学スペイン語学科卒のスペイン語力により、遂に、捜し出しました。最終価格48万円を予定しています。自然乾燥の木材を使用した手工品で、セラック手塗りです。今しばらくお待ち下さい。

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ある会社で、何のための仕事かと尋ねられた社員が”皆の幸せのため”と答えたところ、上司に”そうじゃない、売り上げを伸ばすためだ”と説教されたそうです(2008年初頭のある日本の週刊誌)。

 

私はある意味、技術レベルの遥かに高いプロ野球より、高校野球の方が好きです。それは、ノーギャラで純粋に野球技術だけを競う高校野球の方が、そのフェアプレ-の精神故に、観る者の心に吹く爽やかな一陣の風であり得るからです。しかし、人は学生であることを辞め、金銭社会に出れば、この上司の言った如く、金銭に魂を売って、売上げを伸ばすためには何をやってもいいのでしょうか?

 

人生、何をやろうが、フェアプレ-の精神なき爽やかな一陣の風など吹きはしません。そして、フェアプレ-の精神とは、自分へ思いやりではなく、相手への思いやりのはずです。

 

確かに、個人商店から大企業まで、皆、儲けは必要です。金銭に一喜一憂するのが、資本主義社会に生まれた我々の宿命です。しかし、偏れば、この上司の如く、偏った説教を食らいます。

 

しかし!! 手工品より高いブランド化されたスペイン製普及モデル原産国非表示の中国製スペインギター影武者ギターなど、これらの珍品が大手を振って罷り通っているのは、相手を思いやる爽やかな一陣の風どころか、自らのみを思いやる、偏った利潤追求至上主義に泥酔しているからです。読者の皆さんも一緒に酔うかどうか。それは各自の自由です。しかし、・・・。

 

そもそも、ギターの果たすべき本来の使命とは、弾き手、聴く人、製作者、売る人、ギターを取り巻く総ての人が情緒的に豊かになることのはずです。そして、ギターと代金の交換は最後の最後に行うもの。これがスペインギターに対するセファルディの主旨であり基本姿勢です。 

 

さて、それでは、最後に、④ギター購入直前アドバイスに入ります。

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