スペインギター振興会 セファルディ【】

スペインギターとは

日本人には、何となく、ギターはスペインのイメージがあります。70年前、スペイン人ギタリスト、故ナルシソ・ジェペスが弾いて世界中に流れたスペインの名曲”禁じられた遊び”の影響が未だに根底にあるのでしょう。私も、小学5年生の時に買ってもらったクラシックギターで、歌謡曲の歌本のコードを押えて、ジャラジャラ鳴らしながら、いつか、”禁じられた遊び”、”アルハンブラの想い出”、”アストゥリアス”など、何故か、スペインの曲に惹かれ、更に、高2の世界史の教科書に載っていたアルハンブラ宮殿を見て、”よし、行こう!”と決めました。若かったですね。そして、14年後、本当に、アルハンブラ宮殿で観光ガイドとして10年間働くことになるとは”夢にも”思いませんでした。それ以前は、グラナダ市内の道端でギターを弾いて、金をもらう乞食生活でしたので、正に”夢にも”でした。

 

その後、ガイド業にも飽きて、アルハンブラ宮殿は数年に一度行く位でちょうどいいと思った私は、グラナダ市役所横で日本語情報センターを始めました。

 

マヌエル・カーノ先生に習おうと志して来たグラナダでしたが、現実は生活に追われ、正直、思った事の10分の1も学べませんでした。それでも、先生や息子のホセ・マヌエル・カーノを始め、楽譜が読めず、レコードから耳コピした”カテドラル第3楽章”をスピード違反で、涼しい顔で完璧に弾きこなし、指慣らししていたカルロス・サラテアルハンブラ宮殿で聴いたマヌエル・バルエコ、グラナダ市闘牛場で聴いた超音速パコ・デ・ルシア、家にはギターさえなく、一切練習せず、いきなりヨーロッパツアーに出て行く、大の練習嫌いのメルチョール・コルドバ。滅茶苦茶上手いのに、食えなくて、靴磨きをしていた、名もないジプシーのギタリストなど、皆、強烈な印象を残してくれました。そして、そこには、常に、スペインの旋律スペイン(スパニッシュ)ギターがありました。

 

スペインギターとは、何か特別なスペインのギターではなく、スペイン製のクラシックギターフラメンコギターのことです。形や大きさが特別な訳でも何でもありませんが、響きが独特です。

 

一国の気候風土は、その国民性、食文化、そして、楽器作りを決定付けます。どんな食品にも乾燥剤の入っていない、極端な乾燥気候のスペインでは、人もギターもお喋りが多くなります。従って、どんな安物ギターでも、それなりに乾いた音色がすること重厚な音のクラシックギターでも、それなりに乾いた重さが感じられること。これがスペインギター全般に渡る一番の特色だと言えます。仮に、日本や他の国々で、全く同じ製作家が全く同じギターを作っても、その気候の故に、違った音色になります。工法は真似出来ても、気候は絶対に真似出来ない、このスペインの乾燥気候こそ、スペインギターの一番の特徴です。

 

しかし、今日、残念ながら、日本でも名の知れた、多くの有名スペインギターメーカーが100%中国で作らせ、自社のラベルを貼った100%中国製スペインギター(詳細click)を世界中に、そして、日本に100%スペインギターとして、相当数輸出しています。これは筆者のスペイン滞在中、特に最後の10年間に、ギター業界の様々な人間から聞かされた確かな情報です。食品は産地偽装で摘発されても、100%中国製スペインギターはお咎めなし。意図的にMade in Chinaと表記もせず、消費者には絶対分かりません。勿論、日本の輸入元も、これ100%スペインギターとして販売する確信犯。残念ながら、スペインも日本も、利益至上主義で、節操がないのがギター業界の現状です。

 

だからこそ、私が30年過ごしたスペインから、本物のスペインギター(クラシックフラメンコ)を人生の集大成として日本にご紹介します。国産も他の国のギターも感知しません。ましてや、100%中国製スペインギターなど論外です。100%スペイン製スペインギターをご紹介します。

 

次項正しいギター選択のための4項目(序文)