②ギターの材質とサイズ
読者の目の前に米、酢、魚、タクアン、胡瓜、干ぴょう、海苔が並べられて、これが寿司ですと言われたらギョっとしませんか? 仮にそれらが新鮮な極上のネタだとしても、調理前なのですから、それは寿司の食材の箇条書き説明になってはいても、それを巧みに調理して、ネタ同様、極上の寿司になるかどうかは全く別次元の問題なのです。
近年スペインのみならず、ヨーロッパ各国には華僑経営の日本料理屋が目立ちます。新鮮な魚に日本の醤油やわさびを使ってはいますが、何より酢加減が滅茶苦茶で、とても寿司の味がしません。最高のネタを使ってはいてもです。ギターにも同様の事は起こり得ます。
ギター各部分の材質説明自体も食材一覧表みたいなもので、これらの良いネタを揃える事と、それを美味しい寿司やギターに仕上げる事は、ある意味全く無関係だとさえ言えます。寿司を食べる人はコシヒカリの米粒を食べるのではなく、料理としての寿司を食べるのでしょう。
同様に、次に列挙する各部分の木材自体の優劣や原価ではなく、その木故に出来上がったギター、そして、特にスペインギターの音色の観点から、以下10項目をお読み下さい。